ほんとうの健康管理は、実は歯からはじまる [ たかだ歯科医院 ] のブログ

ほんとうの健康管理は、実は歯からはじまる! 奈良の歯科医院、たかだ歯科医院の院長、高田利之が、歯と健康について、とっておきの、お話を掲載いたします。

2016年12月

カルシウム・バランスは生命活動の基本5

『サイエンス』という学術誌には血中IGF-1濃度が最も高い男性では低い男性比べて4倍前立腺ガになりやすいことがけいされています。またIGF-1は神経細胞の増殖とのかかわりが深く、神経細胞が無数に集まった脳では体の成長や生殖器の発育、エネルギー生産、血圧の調整などにかかわる様々なホルモンがつくれるため、過剰なIGF-1は脳に対してダイレクトに悪影響を及ぼし、結果として全身のトラブルを招いている恐れがあります。

健康な子供や大人が牛乳を多少飲んだくらいで、すぐにこういった病気になるとは考えられませんが、病気をもたらす他の要素と重なると発症を促進したり、症状を悪化させたりする可能性はないとはいえません。

また乳類を分解する酵素のラクターゼは欧米人では母乳で育つ時期から大人になっても多く合成出来ますが、日本人は遺伝的にラクターゼの合成量が少なく、大人になると合成能力を失います。

食文化を考えてみて下さい。日本は島国であるため魚、海藻や野菜からもともとカルシウムを摂っていました。これらの食材は前述したマグネシウムなどのミネラルが同時に含まれているため消化吸収し各組織のエネルギーとして使うのに無駄のない食材といえます。ですからこのように日本人の食文化に合ったものからカルシウムを摂ることをお勧めします。

カルシウム・バランスは生命活動の基本4

(牛乳を飲むことのメリットとデメリット)

牛乳に含まれるタンパク質の約8割はカゼインですが、このカゼインが体内で正しく分解されないとカソモルフィンという物質が生じます。

フロリダ大学のJ・ロバート・ケイド博士とその研究グループが1999年に発表した研究報告によると、カソモルフィンがADDや自閉症の子供の血中及び尿中に高濃度に検出され、これらの病気の原因である可能性が高いことが示されました。

牛乳には「IGF-1」という細胞の増殖にかかわるホルモンのような物質があります。これは子牛のハイペースの成長(1日に1㎏増)のため牛乳の中に高濃度に存在しています。人間が牛乳を飲んでも成長スピードに差こそあれ同じように作用します。これにより「牛乳を飲むと体が大きくなる」理由になりますが、これは決して「良い事」だけではありません。体が不自然に成長するということは、細胞(組織)の異常に促進される、つまりガンのリスクが高くなることを意味しています。この事は『ランセット』誌に掲載された論文で閉経前の女性のうち血中IGF-1濃度が最も高いグループでは低いグループに比べ7倍乳ガンのリスクが高いことが示されています。