『サイエンス』という学術誌には血中IGF-1濃度が最も高い男性では低い男性比べて4倍前立腺ガになりやすいことがけいされています。またIGF-1は神経細胞の増殖とのかかわりが深く、神経細胞が無数に集まった脳では体の成長や生殖器の発育、エネルギー生産、血圧の調整などにかかわる様々なホルモンがつくれるため、過剰なIGF-1は脳に対してダイレクトに悪影響を及ぼし、結果として全身のトラブルを招いている恐れがあります。

健康な子供や大人が牛乳を多少飲んだくらいで、すぐにこういった病気になるとは考えられませんが、病気をもたらす他の要素と重なると発症を促進したり、症状を悪化させたりする可能性はないとはいえません。

また乳類を分解する酵素のラクターゼは欧米人では母乳で育つ時期から大人になっても多く合成出来ますが、日本人は遺伝的にラクターゼの合成量が少なく、大人になると合成能力を失います。

食文化を考えてみて下さい。日本は島国であるため魚、海藻や野菜からもともとカルシウムを摂っていました。これらの食材は前述したマグネシウムなどのミネラルが同時に含まれているため消化吸収し各組織のエネルギーとして使うのに無駄のない食材といえます。ですからこのように日本人の食文化に合ったものからカルシウムを摂ることをお勧めします。