私たちの体を構成する60兆個の細胞は、体の部位により働きや形などが異なるものの、細胞膜という「油の膜」に包まれていることが共通点です。
ですから「油の摂り方」がいかに重要かお解りいただけると思います。
局所ホルモンは炎症反応や神経伝達など体内環境を一定に保つ上で様々な役割を担っていますが、それらのコントロール機能は全て、細胞に摂り入れる「油の質」に左右されています。
ここで重要になってくるのが「アクセル役」のオメガ6と「ブレーキ役」のオメガ3です。
この両者を適切な比率で摂取することがとても大切です。オメガ6過多になると「高炎症体質」になりアトピー性皮膚炎などになりやすくなります。
また「油」を語る上で忘れてはならないのが、マーガリンやショートニングなどに大量に含まれているトランス脂肪酸です。トランス脂肪酸は脂肪酸という名前がついていますが「有害物質」です。
特に、小さな子供や胎児は脳の神経細胞の発達や機能をダイレクトに妨害されるために徹底的にさけなくてはなりません。
欧米各国では早い時期から加工食品や飲食店でのトランス脂肪酸が始まっていましたが、アメリカでは2015年6月 トランス脂肪酸の食品添加を全廃すると発表しました。
世界中でトランス脂肪酸が有害物質であると認識されています。
人間の体の中で「一番油っぽい臓器」は実は「脳」です。
そして脳が「油っぽい」のはどんな動物でも一緒です。
ですから悪い油は脳の神経細胞の伝達に大きなダメージを与えます。
ここで肉の脂と魚の油の違いについてお話します。
牛や豚など動物の体温は人間よりも高く39°C以上です。そのため人の体に入ると固まりやすくなります。これに対して、魚の体温は海や水の中で生きているため人間よりもかなり低く20°C位です。ですから魚のあぶらは人の体内に入っても固まりません。賢明な皆さんなら人の体内で固まる脂と固まらない油どちらのあぶらが体にとって安全なあぶらか理解していただけると思います。
では脳にとって良い油と悪い油について次にお示しします。